免震装置の開発


松村組では、以前から免震装置の開発を手がけていた。 そのため1994年に、この装置を取りつけた鉄筋コンクリート造り3階の「研究室棟」 と、在来工法による「管理棟」の2棟を建て、以来、地震計による観測をつづけてきた。 その観測結果が阪神大震災のときに驚くほどの差異をみせたのである。 揺れの強さを示す加速度の「ガル」は、そのとき地上で270ガル、「管理棟」の屋上では 3倍以上の970ガルにも増幅されており、「管理棟」では天井が落ちてくるなどの、相当ひ どい被害を受けた。 いつぽう、免震装置を取りつけてあった「研究室棟」のほうは、屋上で196ガルと、「管 理棟」にくらべ、揺れがなんと5分の1以下に軽減されていたのだ。もちろんそのおかげで、 研究室棟は無傷のままだったのはいうまでもない。 くわしい観測データの分析にはもうすこし時間がかかるらしいが、いずれにしてもこの松 村組の免震装置に絶大なる効果があったことだけは確かだ。 硬い座席のクルマに乗ったときは、路面からの振動が直接ひびいて、乗り心地の悪い思い をすることがあるが、この装置をつかうことによって、建物はクッションのきいた乗り心地 のいいクルマに変身するのである。

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